第6回目となった『さが・こども未来応援基金』2024年度助成(https://saga-codomo.org/news/sagacco_kikin2024/ )
今回は、地域における「こどもの居場所」を利用するこども達への体験活動を対象に助成を実施しました。こどもの居場所に参加している様々なこども達の『こんなことしてみたい』という声に耳を傾け、企画・実行していただいた団体の活動をご紹介いたします。
一般社団法人 フリーデザイン・こども食堂『からふるキッチンおぎ』

『からふるキッチンおぎ』は、コロナ禍の2022年10月にスタートしたこども食堂です。
現在、毎月第4土曜日に開催されています。食事の提供だけでなく、お米や野菜、衣服、眼鏡、日用品など、生活に関わる多方面での支援も行っています。さらに、佐賀市内の学習塾の塾長さんの協力を得て、学習支援にも取り組まれています。
活動を通して、こどもたちの「体験の少なさ」を実感されたそうです。経済格差と体験格差は比例関係にあり、利用するこどもたちの中には「行きたいけれど行けない」「やりたいけれどできない」という状況に置かれている子が少なくありません。その中の一つとして、「もっと勉強したい」という願いがありました。
そこで今回、さがっこ基金を活用し、「模試を受ける会」を開催されました。「もっと勉強したい」「自分の学力を県内で知りたい」「高校受験前に模試を受けたい」「中学受験はできなかったけれど、今の力を試したい」――そんな思いを持つ子どもたちが対象です。
経済的な理由から塾に通うことが難しいながらも、自ら学び続ける意欲を持つ佐賀県内の小・中・高校生が、「からふるキッチンおぎ」の利用者や模試参加希望者として参加しました。
活動の様子はこちら(https://www.instagram.com/p/DE8P9aJTqbJ/?hl=ja)
ま・まんでぃ

「ま・まんでぃ」は、こどもに関わるすべての大人たちの居場所づくりを目的とした団体です。
情報の共有や発信、地域との交流、ネットワークづくりを通して、学び合いによるスキルアップや次世代への学びの伝承などに取り組まれています。
毎月1回、「ゆめぷらっと小城」にて居場所づくりの活動を開催されています。
活動の一つに『ま・まんでぃカフェ』があり、その活動には、赤ちゃんから小・中・高校生まで多くの子どもたちも参加しています。
その中でスタッフの方々は、「子どもたちはやってみたいことがたくさんあるようだが、時間が足りないと感じる」「日常の遊びや体験がスマートフォンを使ったものに偏っている」といった現状を感じられたそうです。
そこで今回、こどもたちが自分たちで企画・実現することで、満足感や達成感を得ること、また協力して自分たちの発想で製作する楽しさを感じてもらうことを目標に、『クリスマスパーティ用ビッグクリスマスケーキ作り」と『春休み進級お祝いビッグハンバーガー作り』を企画・実施されました。
活動の様子はこちら(https://www.facebook.com/share/p/14N4aXj7Ydh/)
(https://www.facebook.com/share/p/17JvuSbNAr/)


一般社団法人 ここてらす

一般社団法人ここてらすは、佐賀県基山町を拠点とするコミュニティスペースとして活動を行われています。「あなたと今ココを肯定し合う社会をつくる」をビジョンに掲げ、こどもの居場所をはじめとしたさまざまな活動を展開されています。
こどもの居場所は、日本財団こども第三の居場所を経て、現在も活動を継続されています。活動は月・水・金曜日の週3回17:30~20:00開催されており、こども達の『食べる』『遊ぶ』を大切にされています。
こども達と過ごす中で『町外での体験やイベントに⾏けない家庭も多く、今現在住んでいる地域以外の地域や⽂化も体験してほしい』という想いを強く抱かれたそうです。この想いを実現するため、今回の基金に申請されました。
助成事業は『離島体験事業』として、2泊3日間基山町を離れ、長崎県壱岐市の住⺠と交流し、こども達が『いろんな暮らしがあること』を感じることを目的に実施されました。こども達自身が3日間の中でやりたいことを考えるよう促したそうです。『主体性を持ち興味関⼼のあるものに⾃分から取り組める⼒を持つ』『いろんな旅の手段が分かる』『リフレッシュと新学年への意欲を持てる』を目指す姿とされました。
活動の様子はこちら(https://www.facebook.com/share/p/17hjBpp7qN/)
一般社団法人 キラキラヒカル

『こどもたちが「ありのまま」でいられる居場所を』をモットーに掲げ、唐津市鏡山小学校の近くで活動されています。こどもの居場所「じゃんぷ」は、日本財団子ども第三の居場所を経て、現在も活動を継続されています。家庭でも学校でもない、こどもたちが安心して過ごせる「第三の居場所」です。
過ごし方は「自由」。こどもたちの「ありのまま」の姿を大切にした居場所づくりを心掛けており、この居場所を通じて、地域や大人とのつながりを深め、支援の輪を拡げる活動を行われています。
こども達と過ごす中で、『家庭的困難を抱えるこどもたちは、圧倒的に全てにおいて経験が少ない。家族でのお出かけ、習い頃、与えられるもの(ゲームやおもちゃなど)。また、着⽤する洋服、毎⽇の⾷事。小さいコミュニティの中でも格差を感じている。経験が少ないこどもたちは、創造⼒、語彙⼒、コミュニケーション⼒も乏しく、豊かなこども時代をおくることができていないのが現状である。家庭的困難を抱えていないもしくは、少ない⼦どもの中にも、同じような傾向がある。』と感じられたそうです。
代表の田中さん⾃⾝が「星つむぎの村」の出張プラネタリウムを体験され、その話をこどもたちに話し、 星つむぎの村のホームページをみせたことから、「わ〜みてみたい︕」「すごーい︕︕」とキラキラした 眼差しでこどもたちが⾔っていたことがずっと忘れられず、『“この星空はきっと忘れられない思い出になる”すべてのこどもたちに星空を。』を企画されました。
今回の企画は、車いすでも参加することのできる出張プラネタリウムであり、できれば、こどもと⼀緒に、保護者にも体験してほしい。健常者 でも障害者でも、⼤⼈でも、こどもでも、同じ星空をみて、⾊んなことを感じてほしいという願いが込められています。
活動の様子はこちら(https://www.facebook.com/share/p/1AZddAdBia/)
第6回さがっこ基金は上記の4団体が採択され、それぞれが「いつもの居場所ではできない体験」を実施することができました。格差が拡大している今の社会において貴重な体験機会であり、こどもたちの健やかな成長に資する素敵な1ページになることを願って止みません。
あらためまして、当基金に共感し、貴重なご支援をいただきました皆さまに心より感謝申し上げます。




